空振りなにちようび

モスのバイトが終わった後に、千川へ某バンドのライブを観にいくというわけで

一体私は何を期待していたんだろうか……


バイトが終わってから板橋まで服探しに行っちゃったじゃないか
エメラルドグリーンのロングスカートが欲しくって
でも実際は抜けるような空色のスカートしかなくて
ロングスカートは自分の体型に合わないのは百も承知だったがそれでも試着して
これは買えないと断念した

そして蜘蛛の糸のような一縷の望みをもって千川へ行った
でも着いた先に私が期待した結果は無く

とても懐かしい音がした。千川の箱の音

目的のバンドの時間は始まってた
日曜と言う事もあって客は多かった
みんな楽しそうに盛り上がってる
知ってるバンドだろうがそうでなかろうが皆盛り上がってる
本来ライブハウスの在るべき姿ってこうなんだろうなって思う

ふと自分がその輪に入っていけないことに気づく
自分は一人が好きなんだろうか
あの中に入っていけたら楽しいんだって事はわかる
自分がそれに入りたいんだって事も知ってる
でも私はその中に入らないで一人一番後ろで見ていた
昔いつも最前列にいた自分をそこに重ねながら

用事を済ませて外に出たとき、この住宅街に一人でいる事が不思議な気がした
人は殆ど歩いていなくて、自分だけがこの夜の住宅街に取り残された気がした
あの頃の思い出たちを探してももうそこには何も無かった

ホントは最初から望み通りにならないって分かってたよ
でも期待せずにはいられなかった

今の私の位置
今の私の希望
色々と見つめなおした夜だった