MOMENT

2005年12月1日 読書
「MOMENT」読みました。本多作品はこれで3冊目だったのですが、さすが推理作家!と言うような印象で、今回もページをめくるのが楽しみな作品でありました。最初の10ページくらいでもうどっぷり小説の世界に浸ってましたから
死を目前にした患者の望みを叶える「必殺仕事人」と呼ばれる清掃員が居ると言う噂から、主人公が病院内の人々と接していって…と言う話なのだが、ただ主人公と末期患者とのふれあいを描いただけでの小説じゃないのがまた面白かったと言うか。推理やミステリーの類の話じゃないのに、意外な結末が待っていたりとか。死や人生に向かい合っていく流れも汲んでいていろんな楽しみ方が出来る内容でした。
この「MOMENT」は主に4つの話で区切られていて、主人公が4人の末期患者と接していくわけだが、患者の望みをかなえた後に必ずハッピーエンドが待っているわけではないと言うのが特徴かもしれない。でも読み手が期待していたような結末でなくとも不思議と終局に安堵するように感じた。非常に奥の深い作品だった。

本多作品って私が読んだ本ではどれも「死」というテーマにリンクしてるのだが、全部そんな感じなのだろうかね?
とはいえ、どの作品の主人公も凡人じゃない感じが何と言うか…。いや、凡人なのにやたら器用に動いてるし隙が無い主人公ばっかりだと思うのは気のせいか?
同じ作家が書く主人公が何となく似通ってくるのも、ここ一年何人かの作家を読み続けてきた一つの発見ではあります。
それにしても本多孝好の作品は読み手を小説の世界に引き込むのが上手いなあと思い、他の何冊かも早く読んでみたいと思ったのでありました。

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